不倫慰謝料を弁護士に相談する前にしておくべきこと
1 弁護士へ不倫慰謝料の相談をお考えの方へ
「夫や妻が不倫・浮気しているかもしれない」と感じたら、不安になるのも当然です。
なかなか周囲に相談できることではありませんし、自分がどうしたいのかを見失ってしまうこともあるでしょう。
ご自分の気持ちを整理したり悩みを聞いてもらいたい場合はカウンセラー、慰謝料請求を考える場合は弁護士など、適切な相談先は様々です。
現在は、弁護士への初回相談を無料としている事務所も多いです。
弁護士へは相談したいと思ったらいつでも相談して良いものですが、ある程度準備をしておいたほうが有意義な相談時間になるでしょう。
今回は、弁護士に不倫慰謝料について相談する前に準備すべきこと、知っておくべきことを解説します。
2 不倫の証拠を集める
まず、不倫問題の解決には証拠を集めることが重要です。
特に慰謝料請求をする場合、証拠がなければ相手方も強気に出て「証拠がない」「不倫はしていないから払わない」と言われる可能性が高いです。
不倫相手が任意に払ってくれなければ訴訟で請求することになりますが、訴訟でも裁判所を納得させられる証拠が必要不可欠です。
なお、特に不貞相手に慰謝料を請求したいという場合は、相手の特定は必須です。
相手が全く分からなければ、慰謝料請求書を送ることもできませんし、訴訟提起もできません。
そこで、証拠集めとあわせて不倫相手の情報をできる限り多く集めることも大切です。
最低限、「名前」と「住所」を把握する必要があります。
可能なら電話番号やメールアドレスも知っておきたいところです。
ご自分で証拠を集めるのが難しかったり、色々と調べても相手方を特定できない場合には、興信所や探偵事務所に依頼して調査してもらうことを考えてみましょう。
3 自分がどうしたいかを考える
証拠があり不倫が事実ならば、自分がどうしたいか、配偶者や不倫相手にどうしてほしいかを考えてみましょう。
不倫されたとしても、離婚するかどうか、慰謝料を請求するかどうかといった問題があります。
ご自分の希望こそ、今後の方向性を決める最も大切なものです。
具体的に、離婚するか、慰謝料を請求するかによって何が変わってくるかを解説します。
⑴ 離婚する・しないで手続きが変わる
離婚するかしないかで、とるべき手続きが変わってきますし、慰謝料の金額も変わります。
離婚するのであれば、不倫によって負った精神的損害はより多大であると評価され、離婚しない場合よりも高額な慰謝料を請求できます。
更に、不倫相手だけでなく、配偶者に慰謝料を請求することも可能です。
この他、財産分与や親権についても問題となるでしょう。
一方で、配偶者と離婚しないのであれば、不倫関係を精算し、夫婦関係を修復する必要があります。
不倫相手への慰謝料請求の他、配偶者との接触を断たせる等の再発防止策についても考える必要があります。
⑵ 不倫慰謝料を請求するか迷ったとき
不倫相手を許せない等の気持ちがある一方で、「お金の問題ではない(お金目当てと思われたくない)」「不倫相手とコンタクトを取ることだけで億劫だ」「穏便に済ませたい」として、不倫慰謝料の請求を躊躇う方もいらっしゃるようです。
確かに、精神的な苦痛はお金では解決できません。
実際、直接謝罪を受けること、二度と配偶者に接触しないことなどを条件に、賠償金の支払いなしで示談をする方もいらっしゃるようです。
しかし、金銭的賠償がなければ、形だけの謝罪で済まされる可能性もあります。
「賠償金も請求されていないから、また会っても大丈夫だ」と考え、不倫関係を継続する可能性もあるでしょう。
弁護士としては、不倫の再発を防ぎ、気持ちに区切りをつけるためにも、不倫慰謝料でしっかりと精算することをお勧めします。
また、不倫が原因で離婚をする場合は、離婚後の生活費を賄うためにもお金が必要です。
不倫問題に終止符を打つために、慰謝料請求は効果的な方法です。
慰謝料請求権は被害者の方に正当に認められている権利ですので、慰謝料請求については今一度慎重に検討することをお勧めします。
不倫の慰謝料を請求したい場合、慰謝料相場と請求先は? 民事再生をお考えの方へ